
財務報告書で用いられる「親会社」と「子会社」の定義と訳語を、会社法、金融商品取引法(金商法)、企業会計基準(会計基準)から見てみます。なお、会話で言う「親会社」「子会社」とは、若干異なる場合があります。
以下、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(2011年3月25日改正)を引用します。会社法(含む省令)、金商法(含む府・省令)、会計基準間で用語の違いはありますが、言っていることは同じです。
6. 「親会社」とは、他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している企業をいい、「子会社」とは、当該他の企業をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の企業の意思決定機関を支配している場合における当該他の企業も、その親会社の子会社とみなす。
7. 「他の企業の意思決定機関を支配している企業」とは、次の企業をいう。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の企業の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる企業は、この限りでない。
(1) 他の企業(更生会社、破産会社その他これらに準ずる企業であって、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められる企業を除く。下記(2)及び(3)においても同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している企業
(2) 他の企業の議決権の 100 分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有している企業であって、かつ、次のいずれかの要件に該当する企業
@ 自己の計算において所有している議決権と、自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の企業の議決権の過半数を占めていること
A 役員若しくは使用人である者、又はこれらであった者で自己が他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の企業の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること
B 他の企業の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること
C 他の企業の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているもの)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)
D その他他の企業の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること
(3) 自己の計算において所有している議決権(当該議決権を所有していない場合を含む。)と、自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の企業の議決権の過半数を占めている企業であって、かつ、上記(2)のAからDまでのいずれかの要件に該当する企業
7-2. 前項にかかわらず、特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2 条第3項に規定する特定目的会社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下同じ。)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定する。
ポイント:会社法、金商法上の親会社、子会社には、次の留意点があります。
英語訳
親会社 parent company (法令用語日英標準対訳辞書および金融庁EDINETタクソノミの英語科目名)、parent (IFRSおよび一部の金融庁EDINETタクソノミの英語科目名)、その他、parent corporation ということもあります。
子会社 subsidiary (金融庁EDINETタクソノミの英語科目名およびIFRS)、subsidiary company (法令用語日英標準対訳辞書)、その他、affiliate またはaffiliated company ということもあります。(ただし、日本では関連会社の訳語としてaffiliate またはaffiliated companyを使うことが多いので、用語を区分するためにはsubsidiary をお勧めします。)
